ケアマネ試験に合格したあと
実務研修から登録・介護支援専門員証の交付まで
最終更新:2026年9月22日/出典は記事末の「参照した一次情報」に記載
ケアマネ試験(介護支援専門員実務研修受講試験)は、合格した時点ではまだ「ケアマネジャー」ではありません。合格のあとに実務研修を受け、都道府県知事の登録を受けて、介護支援専門員証の交付を受けて、はじめて名乗って働けます。しかもこの区間にはうっかり過ぎると取り返しがつかない期限がいくつかあります。ここでは、合格発表から働き始めるまでの順番と期限を、法令と都道府県の公表資料をもとに1本にまとめます。
さきに結論
流れは「合格発表 → 実務研修(講義・演習87時間+実習)→ 登録申請 → 介護支援専門員証の交付申請」の4段です。いちばん落としやすいのが実務研修を修了した日から3か月以内に登録の申請をしなければならないという期限(介護保険法施行規則第113条の7)。ここを過ぎると登録の申請ができなくなります。さらに登録から5年以内に証の交付申請をしないと、あらためて「再研修」を受けなければならなくなります。試験・研修・登録・証の交付は、すべて都道府県知事が行います。
合格発表から働き始めるまで、4つの段
日程や金額は都道府県ごとに違いますが、順番はどこも同じです。令和8年度(第29回)の日程を例に置くと、次のようになります。
- ① 試験・合格発表:令和8年度(第29回)の試験日は2026年(令和8年)10月11日(日)、合格発表は2026年11月24日(火)が予定されています(都道府県により通知の方法は異なります)。
- ② 実務研修の受講申込:合格者には、試験の実施団体から実務研修の案内が届きます。申込は合格通知に同封される書類で行うのが一般的で、期限が短いことがあるため、合格発表の直後は郵便物をよく確認してください。
- ③ 実務研修を受講・修了:東京都の例では講義・演習が87時間、これに居宅介護支援事業所での原則3日間の実習が加わります。日程は都道府県ごとに違い、合格発表の翌月ごろから年度末にかけて実施されることが多いつくりです(例:山形県は令和8年12月下旬〜令和9年3月上旬の予定、15日間の講義+おおむね3日間の実習)。
- ④ 登録申請 → 介護支援専門員証の交付申請:実務研修を修了すると修了証明書が出ます。これを付けて都道府県に登録を申請し、あわせて(または後から)介護支援専門員証の交付を申請します。証が手元に届いてはじめて、ケアマネジャーとして業務に就けます。
「登録」と「証の交付」は別の手続きです
介護保険法では、
登録(第69条の2)と
介護支援専門員証の交付(第69条の7)が別々に定められています。多くの都道府県は
登録申請書と証の交付申請書を1枚にまとめた様式を用意していて同時に出せますが、
「登録だけして証は後から」も制度上は可能です。ただし後述のとおり、
登録から5年を過ぎると再研修なしには証の交付を受けられません。すぐ働くつもりがなくても、同時に申請しておくのが無難です。
見落とすと取り返しがつかない、3つの期限
この記事でいちばん伝えたいのはここです。どれも「知らなかった」では戻せません。
- 期限① 実務研修の修了日から3か月以内に、登録の申請をする。
介護保険法施行規則第113条の7は、登録を受けようとする者は「介護支援専門員実務研修を修了した日から三月を経過する日までに」登録申請書を提出しなければならない、と定めています。群馬県・神奈川県・北海道・千葉県・茨城県・山形県など、各都道府県の案内もそろって「実務研修修了後3か月以内」と明記しています。この期限を過ぎると登録の申請ができなくなります。そのあとの取扱いは都道府県によって異なるので、過ぎてしまった場合は自己判断せず、必ず登録先の都道府県に相談してください。
- 期限② 登録を受けた日から5年以内に、介護支援専門員証の交付を申請する。
登録だけして証を取らずに放置すると、登録から5年を過ぎた時点で、介護支援専門員再研修を修了しないと証の交付申請ができなくなります(茨城県・山形県の案内)。再研修は決して軽くなく、神奈川県の例では54時間・受講料42,700円です。
- 期限③ 介護支援専門員証の有効期間は5年。
証には有効期間5年があり、更新は「新たな介護支援専門員証の交付を申請することにより行う」とされています(施行規則第113条の26)。有効期間が切れてからの更新申請はできません(千葉県・茨城県)。ただしこの更新の仕組みは、2026年の法改正で廃止が決まっています(次の章)。
2026年の法改正で、「5年ごとの更新」はどうなる?
2026年(令和8年)6月25日に公布された「社会福祉法等の一部を改正する法律」(令和8年法律第51号)で、介護支援専門員証の有効期間と、更新のために受ける研修が廃止されます。厚生労働省の通知(介護保険最新情報Vol.1518)は、改正前の第69条の7第2項・第3項、第69条の8を廃止し、あわせて「厚生労働省令で定める者を除く介護支援専門員は、その資質の保持及び向上を図るため、都道府県知事が行う研修を受けるものとする」(第69条の34第4項)という規定を置く、と説明しています。
- 資格が期限切れで失効することはなくなる——ただし研修そのものは無くならず、形を変えて続きます。
- 施行日は「公布の日から起算して1年6月を超えない範囲内において政令で定める日」(改正法附則第1条第2号)。まだ政令で決まっていません。
- 施行されるまでは現行どおりです。いま更新の時期が近い人は、予定どおり更新の手続きを進めてください。
ここは受験生にも関係します。制度改正の全体像は2027年度の介護保険制度改正 動向まとめで整理しています。
費用と期間の目安
金額は都道府県ごとに違います。下は「だいたいこのくらい」をつかむための実例です。必ずご自身の都道府県の案内で確認してください。
- 実務研修の受講料:山形県は47,000円(テキスト代等は別)。都道府県によっては教育訓練給付(特定一般教育訓練)の対象講座になっている場合があります(熊本県の案内)。ハローワークに相談すると確認できます。
- 介護支援専門員証の交付手数料:群馬県3,500円、茨城県3,100円(新規登録・証交付)、北海道4,050円。収入証紙での納付を求める県が多くあります。
- 証が届くまでの時間:神奈川県は「申請から受取まで1か月から1か月半程度を要します」と案内しています。就職・転職の予定があるなら、この1か月半を見込んで動くのが安全です。
- 提出書類:登録申請書(+証の交付申請書)、実務研修修了証明書の写し、住民票、証の交付申請には顔写真(例:縦3cm×横2.4cm、申請前6か月以内に撮影)など。2024年(令和6年)12月1日以降の申請からは、個人番号(マイナンバー)の記載が必要になりました。
試験では、ここが問われます
この手続きは、そのまま「介護支援分野」の出題範囲でもあります。数字と主体を取り違えないよう整理しておきましょう。
- 主体はすべて都道府県知事:試験(実務研修受講試験)も、実務研修も、登録も、証の交付も、都道府県知事です。「市町村長」「厚生労働大臣」とすり替える選択肢が定番です。
- 数字の整理:受験資格の実務経験は通算5年以上かつ900日以上/登録申請は実務研修修了後3か月以内/証の有効期間は5年/登録から5年を過ぎると再研修/登録消除後の再登録不可も5年/居宅介護支援の記録保存は完結の日から2年。同じ「5年」でも中身が違う点が狙われます。
- 登録そのものには有効期間がありません。期限が付いているのは「介護支援専門員証」のほうです。ここも混同しやすいところ。
登録・専門員証・義務と処分の論点は、介護支援専門員とは(登録・専門員証・義務)でまとめて確認できます。
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よくある質問
試験に合格すれば、すぐケアマネとして働けますか?
働けません。合格のあと実務研修を受講・修了し、都道府県知事の登録を受け、介護支援専門員証の交付を受けてはじめて業務に就けます。証が手元に届くまでは名乗って働くことはできません。
実務研修を修了したあと、登録の申請はいつまでにすればよいですか?
実務研修を修了した日から3か月以内です。介護保険法施行規則第113条の7が「実務研修を修了した日から三月を経過する日までに」登録申請書を提出しなければならないと定めており、各都道府県の案内も同じ期限を示しています。過ぎると登録の申請ができなくなるため、取扱いは登録先の都道府県にご相談ください。
実務研修はどれくらいの時間がかかりますか?費用は?
東京都の例では講義・演習が87時間、これに居宅介護支援事業所での原則3日間の実習が加わります。受講料は都道府県で異なり、山形県は47,000円(テキスト代等別)です。都道府県によっては教育訓練給付の対象講座になっている場合があります。
登録だけして、介護支援専門員証は後から申請してもよいですか?
制度上は可能ですが、登録を受けた日から5年を過ぎると、介護支援専門員再研修を修了しなければ証の交付を申請できなくなります。再研修は神奈川県の例で54時間・42,700円です。すぐ働く予定がなくても、登録と同時に証の交付を申請しておくほうが安全です。
更新制が廃止されると聞きました。もう更新研修は受けなくてよいのですか?
まだです。2026年6月25日公布の「社会福祉法等の一部を改正する法律」で介護支援専門員証の有効期間と更新のための研修は廃止されますが、その施行日は「公布の日から起算して1年6月を超えない範囲内において政令で定める日」で、まだ政令で定められていません。施行までは現行どおり更新が必要です。また廃止後も、資質の保持・向上のための研修は形を変えて続きます。
参照した一次情報(いずれも新しいタブで開きます)
※ 学習の補助を目的とした一般的な情報提供です。日程・金額・必要書類・期限の取扱いは、
都道府県および年度によって異なります。実際に手続きをするときは、必ず
登録先の都道府県(またはその委託先)の窓口で最新の案内をご確認ください。本記事には広告(アフィリエイトリンク)を含みます。