2027年度の介護保険制度改正 動向まとめ
ケアマネ更新制の廃止ほか
最終更新:2026年8月22日/出典は記事末の「参照した一次情報」に記載
2026年(令和8年)6月、介護保険法を含む「社会福祉法等の一部を改正する法律」が成立・公布されました。2027年度(令和9年度)に始まる第10期介護保険事業計画にあわせた改正で、受験生にとっていちばん大きいのはケアマネジャーの更新制が廃止されることです。ここでは厚生労働省の一次資料をもとに、決まったことと見送られたことを整理します。施行日は政令で順次定まるため、動きにあわせて随時更新します。
さきに結論
2027年度の改正は、2026年6月25日に公布された「社会福祉法等の一部を改正する法律」で実施されます。もっとも大きな変更はケアマネジャーの「5年ごとの更新制」の廃止で、一度交付を受けた資格は期限では失効しなくなります。ただし研修そのものが無くなるわけではなく、定期的な研修受講は柔軟な形で続きます。この見直しの施行は「公布後1年6月以内に政令で定める日」(おおむね令和9年〈2027年〉末までの範囲)です。いっぽう利用者2割負担の対象拡大は今回は見送られ、引き続きの検討課題となりました。
今回の改正はどの法律で決まったのか
2027年度の介護保険制度改正は、単独の「介護保険法改正法」ではなく、複数の福祉関係法をまとめて改める「社会福祉法等の一部を改正する法律」の一部として行われました。厚生労働省の資料によると、この法律は2026年(令和8年)の通常国会で成立し、令和8年6月25日に公布されています。
- もとになった議論:社会保障審議会・介護保険部会が2024年末から審議し、2025年12月25日(第133回)に「介護保険制度の見直しに関する意見」をとりまとめました。
- 位置づけ:2027〜2029年度を対象とする第10期介護保険事業計画に向けた改正です。介護保険の見直しは3年周期で行われ、次の節目が令和9年度でした。
- 施行のしかた:改正項目ごとに施行日が異なる段階施行で、原則は令和9年(2027年)4月1日です。
いちばん大きい変更:ケアマネジャーの更新制が廃止に
ケアマネジャー(介護支援専門員)はこれまで、5年ごとに更新研修を受けなければ資格が失効する「更新制」でした。今回の改正で、この更新の仕組みが廃止されます。厚生労働省の広報資料は「研修受講を要件とした更新の仕組みを廃止します」「一度交付を受けた資格は、期限により失効することはなくなります」と説明しています。
- 更新研修・再研修を要件とした更新は廃止。資格そのものが期限切れで消えることはなくなります。
- 研修が無くなるわけではありません。「定期的な研修の受講は継続するが、柔軟に受講できるようにする」とされ、一定期間内での分割受講や受講時間数の縮減が検討されています。
- 事業者の責務として、従事するケアマネジャーが研修を受講できるよう必要な措置を講ずる義務が課されます。
施行はいつ?
この見直しの施行日は「
公布(令和8年6月25日)後1年6月以内に政令で定める日」です。具体的な日付はこれから政令で決まります(おおむね令和9年〈2027年〉末までの範囲)。
「2027年4月1日から」と断定している解説は、法律全体の原則施行日と混同したものなのでご注意ください。確定した日付は分かりしだいこのページを更新します。
受験生にとっては、「せっかく取っても5年ごとに研修で更新し続けないと失効する」という負担が軽くなる方向の改正です。試験でも介護保険制度の見直しは問われやすいテーマなので、「更新制は廃止・ただし研修は継続」という骨格だけは押さえておきましょう。
そのほかの主な改正
- 特定地域サービスの創設:中山間・人口減少地域で、管理者や専門職の常勤・専従要件、夜勤要件などの配置基準を弾力化し、月単位の定額報酬を導入できる特例。あわせて市町村が地域支援事業として給付に代えて居宅サービス等を実施できる仕組みも設けられます(原則 令和9年4月)。
- 登録有料老人ホーム制度と「登録施設介護(予防)支援」:中重度の要介護者など保護の必要性が高い入居者を対象とするホームに登録制を導入。登録ホームの入居者向けに、ケアプラン作成と地域生活相談を一体で行う新しい相談支援類型が作られます(利用者負担は原則1割。段階施行)。
- 夜間対応型訪問介護の統合:夜間対応型訪問介護を廃止し、定期巡回・随時対応型訪問介護看護に統合します(経過措置あり/原則 令和9年4月)。
- 被保険者証の見直し:電子資格確認(マイナンバーカードの保険証利用)を導入し、要介護者等以外の資格喪失時の返還義務をなくすなど事務を簡素化。
- 介護保険事業(支援)計画の見直し:サービス量の中長期推計や提供体制確保の施策を計画の必須記載事項に追加。都道府県計画には人材確保・生産性向上の取組も。
- 申請代行の範囲拡大:グループホームや小規模多機能型居宅介護などでも要介護認定等の申請代行が可能に。
見送られたこと:利用者2割負担の対象拡大
改正の議論で焦点になった「一定以上所得者の利用者負担2割の対象拡大」は、今回の改正には盛り込まれませんでした。2025年12月の介護保険部会の意見では、第10期計画が始まる令和9年度より前までに結論を出すとされ、引き続きの検討課題に位置づけられています。要介護1・2の生活援助等を市町村の総合事業へ移す案も、今回は先送りの流れとなりました。
試験対策のワンポイント
ニュースでは「2割負担が広がる」と報じられることがありますが、
2026年成立の改正には入っていません。「今回決まったこと(更新制の廃止・特定地域サービス等)」と「見送られて検討中のこと(2割負担の拡大等)」を分けて覚えておくと、制度改正の設問で迷いません。
よくある質問
ケアマネの更新制はいつ廃止されますか?
「社会福祉法等の一部を改正する法律」は2026年(令和8年)6月25日に公布されました。ケアマネジャーの研修制度の見直し(更新制廃止)の施行日は「公布後1年6月以内に政令で定める日」で、これから政令で具体的に定められます(おおむね令和9年末まで)。確定しだいこのページを更新します。
いま持っている資格は失効してしまいますか?
いいえ。厚生労働省の資料では「一度交付を受けた資格は、期限により失効することはなくなります」とされています。ただし研修がなくなるわけではなく、定期的な研修受講は柔軟な形で継続します。
利用者の2割負担は広がるのですか?
2026年成立の改正には、2割負担の対象拡大は盛り込まれていません。介護保険部会の意見(2025年12月25日)で、第10期計画が始まる令和9年度より前までに結論を出す検討課題とされました。今回「決まったこと」ではない点に注意してください。
この改正は試験に出ますか?
介護保険制度の見直しは、介護支援分野で問われやすいテーマです。細かい施行日よりも、「更新制は廃止・研修は継続」「特定地域サービスの創設」「2割負担の拡大は見送り(検討中)」といった大枠を押さえておくと安全です。
参照した一次情報(いずれも新しいタブで開きます)
※ 学習の補助を目的としたまとめです。制度の詳細や施行日は政令・都道府県の運用により変わることがあります。手続きや最新の内容は、必ずお住まいの都道府県・厚生労働省の公式資料でご確認ください。