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要介護認定|決定の仕組み

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介護支援分野 > 第10講 要介護認定|決定の仕組み/全文

この講で先生が話す内容を、そのまま文章にしたものです。音声を聞けないときや、あとから読み返したいときにどうぞ。上のスライドと同じ内容です。

第10講 はじめに

認定はどうやって決まる?

第9講では、申請から認定調査までを学びました。第10講は、その調査結果から実際に要介護度が決まる「決定の仕組み」を見ていきます。

なぜ二段階? 機械の客観性と専門家の確認を組み合わせることで、誰がどこで申請しても公平な結果になるよう設計されています。

第9講では申請から認定調査までを学びました。第10講は、その調査結果から実際に要介護度が決まる「決定の仕組み」を見ていきます。

決定は二段階です。要介護度は、一次判定と二次判定の二段階で決まります。

まず、コンピュータが機械的に判定する一次判定。

次に、専門家が集まって確認・修正する二次判定。

この二段構えで、誰がどこで申請しても公平な結果になるよう設計されています。

まずは機械が判定

一次判定とは(コンピュータ判定)

一次判定は、コンピュータが行います。全国一律のソフトで、客観的に処理します。

データのもと 元になっているのは、実際に介護にどれだけ手間がかかったかを調べた「1分間タイムスタディ」の膨大なデータです。

一次判定は、コンピュータが行います。

認定調査の基本調査の結果と、主治医意見書の一部の項目を入力します。

するとソフトが、過去の膨大なデータから、その人と最も状態が近い高齢者を探し出します。この分類のやり方を樹形モデルと呼びます。

元になっているのは、実際に介護にどれだけ手間がかかったかを調べた1分間タイムスタディのデータです。

こうして弾き出されるのが、要介護認定等基準時間です。

最重要・引っかけ注意

基準時間は「ものさし」

ここは試験でよく狙われます。要介護認定等基準時間の意味を正しく押さえましょう。

ここだけ覚える 「ものさしであって、実時間ではない」。この一点を必ず押さえてください。時間が長い=その分サービスが多く使える、でもありません。

ここは試験でよく狙われます。

要介護認定等基準時間は、あくまで介護の手間の大きさを比べるための「ものさし」です。

実際にご家庭で介護にかかっている時間そのものではありません。

また、この時間が長いからといって、その分だけ訪問介護などのサービスが受けられる、という意味でもありません。

「ものさしであって、実時間ではない」。この一点を必ず押さえてください。

5分野+認知症加算

基準時間を出す5分野

基準時間は、5つの分野ごとに計算した時間を合計して出します。

+ 認知症加算 5分野の合計に認知症加算を加えたものをもとに、要支援1〜要介護5のどこに当たるかが決まります。5分野の名前は、選択肢を見分けられる程度に覚えましょう。

基準時間は、5つの分野ごとに計算した時間を合計して出します。

直接生活介助。入浴・排せつ・食事などの介助です。

間接生活介助。掃除や洗濯などの家事援助。

BPSD、すなわち認知症の行動・心理症状に関連する行為。

機能訓練関連行為、つまりリハビリ。

そして医療関連行為。この5つです。

これに認知症の加算を加えた合計をもとに、要支援1から要介護5までのどこに当たるかが決まります。

暗記の数字

要介護度の時間区分

要介護度ごとの基準時間の区分です。区切りの数字を覚えましょう。

覚え方
「25・32・50・70・90・110」――要介護2以降は20分刻み。リズムで唱えて覚えてしまうのがおすすめです。

要介護度ごとの基準時間の表です。

非該当は25分未満、要支援1が25分から32分未満。

そして要支援2と要介護1が、どちらも32分から50分未満です。

要介護2が50分から70分未満。以降は20分刻みで上がっていきます。

要介護4が90分から110分未満、要介護5は110分以上です。

25・32・50・70・90・110という区切りの数字を、リズムで覚えてしまうのがおすすめです。

頻出ポイント

要支援2と要介護1の分かれ目

表で気づいたと思いますが、要支援2と要介護1は基準時間が同じです。では何で分かれるのでしょう。

分かれ目は「状態の維持・改善の可能性」 基準時間はどちらも32分以上50分未満。区分は「状態の維持・改善可能性に係る審査判定」で分かれます。

要介護1

心身の状態が安定しない/認知症等で予防給付の適切な利用が困難

要支援2

それ以外(予防給付を適切に利用できる)

表で気づいたと思いますが、要支援2と要介護1は基準時間が同じです。

では何で分かれるのか。ポイントは「状態の維持・改善の可能性」です。

心身の状態が安定していない方や、認知症などのために介護予防サービスを適切に使うことが難しい方は、要介護1に。

そうでない方は要支援2になります。

基準時間が同じでも区分が分かれる。ここも引っかけで出やすい場所です。

判定の土台になる書類

主治医意見書

一次判定・二次判定の両方で重要なのが主治医意見書です。

2つの材料 コンピュータ判定の入力にも、後の審査会での確認にも使われる、いわば判定の土台になる書類です。

一次判定・二次判定の両方で重要なのが主治医意見書です。

これは市町村が申請者の主治医に作成を求めるもので、様式は全国一律です。

傷病に関する意見、特別な医療、認知症の中核症状などの心身の状態、生活機能とサービスに関する意見などが書かれます。

コンピュータ判定の入力にも、後の審査会での確認にも使われます。

いわば、判定の土台になる書類です。

過去14日間・12項目

特別な医療

基本調査や主治医意見書では、「特別な医療」もチェックされます。

過去14日間
この間に受けた医療の有無をみる(全12項目)
押さえどころ すべて暗記する必要はありません。「過去14日間」というキーワードと、医療系の処置をみる項目だ、という点を押さえましょう。

基本調査や主治医意見書では、特別な医療もチェックされます。

これは過去14日間に受けた医療のことで、全部で12項目あります。

点滴の管理や中心静脈栄養、透析。

ストーマの処置、酸素療法、人工呼吸器、気管切開の処置、経管栄養など。

すべて暗記する必要はありませんが、「過去14日間」というキーワードと、医療系の処置をみる項目だということは押さえておきましょう。

審査会が確認・修正

二次判定とは

二次判定を行うのは介護認定審査会です。一次判定を原案として審査します。

機械が拾えない手間を反映 夜間の徘徊や頻回な医療処置など、コンピュータでは拾いきれない介護の手間があれば、要介護度を重い方へ・軽い方へ修正することもあります。

二次判定を行うのは介護認定審査会です。

コンピュータが出した一次判定の結果を、そのまま採用するのではなく、それを原案とします。

認定調査の特記事項や主治医意見書の内容を加味して審査します。

たとえば夜間の徘徊や頻回な医療処置など、機械では拾いきれない介護の手間があれば、要介護度を重い方へ、あるいは軽い方へ修正することもあります。

40歳から64歳の方については、特定疾病に当たるかどうかもここで確認します。

誰が・どんな組織か

介護認定審査会①(性格と委員)

二次判定の主役、介護認定審査会を見ていきます。まずは性格と委員から。

セットで覚える 「誰が任命する=市町村長」「任期=2年」。都道府県知事ではない点が引っかけです。

二次判定の主役、介護認定審査会を見ていきます。

これは市町村の附属機関で、保健・医療・福祉の学識経験者で構成される合議体です。

委員を任命するのは市町村長。医師や看護師、社会福祉士、介護支援専門員などが選ばれます。

立場は非常勤の特別職。任期は2年で、再任もできます。

「誰が任命するのか=市町村長」「任期=2年」は、セットで覚えてください。

人数と運営のルール

介護認定審査会②(合議体・運営)

実際の審査は、委員から選ばれた合議体で行います。運営のルールを押さえましょう。

実際の審査は、委員から選ばれた合議体で行います。

合議体の人数は5人が標準で、市町村が条例で定めます。

委員の確保が難しいなどで質が保てると判断した場合は、5人より少なくできますが、3人を下回ることはできません。

会議は過半数の出席で開け、判定もその過半数で決めます。

審査は原則非公開で、委員には守秘義務があります。

なお、小さな市町村どうしが共同で審査会を設置することも認められています。

認定の決定

決定と通知・みなし認定

一次・二次判定を経て、最終的に認定を「決定」するのは市町村です。

主体の違い 介護認定審査会は審査・判定して意見を述べる機関。決めるのは市町村です。

一次判定・二次判定を経て、最終的に認定を「決定」するのは市町村です。

介護認定審査会は審査・判定して意見を述べる機関で、決めるのは市町村。この主体の違いを押さえてください。

決定すると、被保険者証に要介護状態区分や有効期間を記載して本人に返し、結果を通知します。

非該当と判定されれば、要介護にも要支援にも認定されません。

なお「みなし認定」。要介護認定を申請した人が要支援に当たると認められたら、要支援認定を申請したものとみなします。逆も同じです。

認定の有効期間

有効期間(原則と範囲)

認定には有効期間があります。種類によって原則の長さが違います。

整理 「新規・区分変更=6か月、更新=12か月」。長くできる上限が大きいのは更新だけ(最長48か月)。

認定には有効期間があります。

新規認定と区分変更認定は原則6か月で、3か月から12か月の範囲です。

更新認定は原則12か月。要介護度が変わる場合は3か月から36か月、更新前と同じ要介護度が続くと見込まれる場合は最長48か月まで延ばせます。

新規・区分変更は6か月、更新は12か月、長くできる上限は更新だけ大きい、と整理しましょう。

更新の申請は、有効期間が切れる60日前から受け付けられます。

認定の効力

効力は申請日にさかのぼる

認定が出るまで時間がかかっても、効力は申請日にさかのぼります。

頻出 「効力は申請日にさかのぼる」は必ず押さえる。待ち時間も無駄になりません。

認定が出るまで時間がかかっても、効力は申請した日までさかのぼります。

だから「結果が出るまでサービスを使えない」わけではなく、暫定的なケアプランを作って利用できます。

その間にいったん全額を支払っても、後から保険給付分、原則9割が払い戻される償還払いで対応されます。

「効力は申請日にさかのぼる」は頻出なので必ず押さえてください。

区分変更の認定

途中でも区分を変えられる

有効期間の途中で状態が大きく変わったら、満了を待たずに区分変更を申請できます。

有効期間の途中で状態が大きく変わったときは、満了を待たずに区分変更を申請できます。

重くなったときだけでなく、改善して軽くする方向の申請も可能です。

また、市町村が職権で区分を変えることもあります。

手続きの流れは新規申請とほぼ同じで、変更後の有効期間は原則6か月です。

認定の取り消し

取り消すのも市町村

市町村は、次のとき認定を取り消すことができます。

主体 「取り消すのも市町村」。該当しない・協力しない→取消+証返還。

市町村は、要介護者・要支援者に当たらなくなったと認めるときに、認定を取り消すことができます。

また、正当な理由なく認定調査に応じない、指定する医師の診断命令に従わないといったときも取り消せます。

取り消した場合は被保険者証を返してもらいます。

「取り消すのも市町村」という点を押さえましょう。

住所移転・広域的実施

移転は「引き継ぐ」ではない

引っ越して保険者の市町村が変わった場合の扱いです。注意点があります。

引っかけ 「引き継ぐ」と書いてあったら誤り。広域化の狙いは委員確保・公平な判定・事務の効率化。

引っ越して保険者の市町村が変わった場合は、前の市町村の認定審査の資料の交付を受けて、移転後14日以内に新しい市町村へ申請します。

ここが注意点。前の認定をそのまま引き継ぐのではなく、前の審査結果に基づいて改めて認定し直す、という扱いです。

「引き継ぐ」と書いてあったら誤り、というのが定番の引っかけです。

最後に、市町村は審査会を共同で設置したり、審査判定を他の市町村に委託したり、広域連合を活用したりして、広域的に運営することもできます。狙いは委員の確保、公平な判定、事務の効率化です。

第10講 おつかれさまでした

まとめ & 次の講へ

第10講のまとめです。「判定 → 決定 → 有効期間 → 変更・取消 → 移転」の流れで思い出しましょう。

📝 おすすめのおさらい講座

第10講のまとめです。

要介護度はコンピュータの一次判定と審査会の二次判定で決まり、基準時間は介護の手間の「ものさし」。要支援2と要介護1は同じ32〜50分でした。

審査会は市町村の附属機関で、委員は市町村長が任命、任期2年、合議体は5人標準。

そして認定を決定するのは市町村で、その効力は申請日にさかのぼります。

有効期間は新規・区分変更が6か月、更新が12か月、同じ要介護度が続けば最長48か月。更新は満了の60日前から申請できます。

住所を移したときは「引き継ぐ」のではなく、14日以内に申請して改めて認定。

次の第11講では、こうして認定を受けた人が実際にサービスを使うときの「保険給付」を学びます。

この講の一問一答(◯×14問・五肢複択3問)

すべてオリジナル問題です(過去問の転載ではありません)。答えは「答えと解説」を開くと出ます。全82講ぶんをまとめて解く →

  1. 要介護認定等基準時間は、実際に家庭で介護にかかる時間を表している。

    答えと解説

    ✕ 介護の手間を量る“ものさし”であって、実際の介護時間ではない。在宅サービスの合計時間とも連動しない。

  2. 要介護度の決定は、一次判定(コンピュータ)と二次判定(介護認定審査会)の2段階で行われる。

    答えと解説

    ◯ 一次の結果を原案に、二次で特記事項・主治医意見書を加味して判定。

  3. 要支援2と要介護1の要介護認定等基準時間は異なる。

    答えと解説

    ✕ どちらも32分以上50分未満で同じ。状態の安定性や認知症等で区分が分かれる。

  4. 介護認定審査会の委員は、都道府県知事が任命する。

    答えと解説

    ✕ 任命するのは市町村長。委員は保健・医療・福祉の学識経験者。

  5. 介護認定審査会の合議体の委員定数は5人を標準とし、3人を下回ることはできない。

    答えと解説

    ◯ 質を保てると市町村が判断すれば5人未満も可だが、下限は3人。

  6. 介護認定審査会は、複数の市町村が共同で設置することができる。

    答えと解説

    ◯ 共同設置が可能。会議は原則非公開で、委員に守秘義務がある。

  7. 一次判定では、認定調査の基本調査と主治医意見書の一部をもとに要介護認定等基準時間を推計する。

    答えと解説

    ◯ 樹形モデルで、状態の近い人のデータ(1分間タイムスタディ)から推計する。

  8. 介護認定審査会の委員の任期は、原則2年である。

    答えと解説

    ◯ 任期は原則2年で再任可(条例で2年超3年以下も可)。

  9. 要介護認定の効力は、認定の通知が届いた日から生じる。

    答えと解説

    ✕ 効力は申請日にさかのぼって生じます。審査に日数がかかっても、申請日から保険給付を受けられます。

  10. 新規の要介護認定の有効期間は、原則6か月である。

    答えと解説

    ◯ 新規は原則6か月(市町村が必要と認めれば3〜12か月の範囲で設定)。区分変更も同じく原則6か月です。

  11. 更新認定の有効期間は、原則12か月である。

    答えと解説

    ◯ 更新は原則12か月(設定できる範囲は3〜36か月)。更新前と同じ要介護度なら最長48か月まで延長できます。

  12. 要介護認定の更新申請は、有効期間満了日の30日前から行うことができる。

    答えと解説

    ✕ 更新申請は満了日の60日前から可能です。『30日』は引っかけ。

  13. 他市町村へ住所を移転した場合、移転前の要介護認定がそのまま新しい市町村に引き継がれる。

    答えと解説

    ✕ 認定はそのままは引き継がれません。転入日から14日以内に新しい市町村へ申請し、改めて認定を受けます。

  14. 要介護状態区分の変更が必要になった場合、被保険者は区分変更の申請ができる。

    答えと解説

    ◯ 状態が変われば、有効期間の途中でも区分変更申請ができます。区分変更認定の有効期間は原則6か月です。

五肢複択

  1. 要介護認定の判定について正しいものを2つ選べ。

    • 一次判定は、全国一律のコンピュータ判定で行われる。
    • 要介護認定等基準時間は、実際の介護時間そのものである。
    • 二次判定は介護認定審査会が行う。
    • 二次判定では一次判定の結果を一切修正できない。
    • 要支援1の要介護認定等基準時間は50分以上である。
    答えと解説

    正解:1・3

    1 正しい。一次は全国一律のソフトで客観判定。

    2 誤り。基準時間は介護の手間の“ものさし”で、実時間ではない。

    3 正しい。二次判定は介護認定審査会。

    4 誤り。特記事項・主治医意見書を加味して上下に修正できる。

    5 誤り。要支援1は25分以上32分未満。

  2. 介護認定審査会について正しいものを2つ選べ。

    • 市町村の附属機関として設置される。
    • 委員は都道府県知事が任命する。
    • 委員は保健・医療・福祉の学識経験者から選ばれる。
    • 会議は原則として公開で行われる。
    • 合議体の委員定数は10人を標準とする。
    答えと解説

    正解:1・3

    1 正しい。市町村の附属機関。

    2 誤り。委員を任命するのは市町村長。

    3 正しい。保健・医療・福祉の学識経験者で構成される合議体。

    4 誤り。原則非公開で、委員に守秘義務がある。

    5 誤り。合議体は5人を標準(3人以上)。

  3. 要介護認定の有効期間・申請に関する次の記述のうち、正しいものを2つ選べ。

    • 新規認定の有効期間は原則6か月である
    • 更新認定の有効期間は原則6か月である
    • 更新申請は有効期間満了日の60日前から行うことができる
    • 認定の効力は通知が届いた日から生じる
    • 住所移転後の認定は前市町村のものが自動的に引き継がれる
    答えと解説

    正解:1・3

    1 ○ 新規は原則6か月です。

    2 × 更新は原則12か月です。

    3 ○ 更新申請は満了日の60日前から可能です。

    4 × 効力は申請日にさかのぼって生じます。

    5 × 引き継がれず、転入日から14日以内に改めて申請が必要です。

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